電源高調波対策技術 1

1999.2.25

(有)浅井工業  浅井 紳哉

1.電子機器の規格

 1-1.国際規格

    国際電気標準会議  IEC

     ・IECに基づき各国が自国の実状に合わせ規格化する。

    国際無線障害特別委員会  CISPR

     ・IECの下部組織の一部。  電波障害に関して定めている。


 1-2.各国の規格・規制(一部)

国 名

EMC規格

安全規格

日本

VCCI #

電源高調波ガイドライン #

電気用品取締法

アメリカ

FCC

UL

ヨーロッパ(EU)

EN(CEマーク)

EN(CEマーク)

カナダ

CSA

CSA

ドイツ

VDE

VDE

#印:自主規制



 1-3.EMC(電磁環境両立性)

    電磁妨害の「発生を抑制」と「影響を受けない耐性(イミニティ)」の両立性を基準。

 (1)EMI(電磁干渉)

     (a)低周波(50Hz〜2.4kHz) − 電源高調波 、 電圧変動 、 など

     (b)高周波(150kHz〜1GHz) − 伝導ノイズ(雑音端子電圧) 、 輻射ノイズ 、 など

 (2)EMS(電磁妨害感受性)

     (a)低周波 − 電圧ディップ 、 電圧変動 、 電源周波数変動 、 など

     (b)高周波 − 伝導妨害波 、 放射電磁界 、 など

     (c)パルス − 静電気放電(ESD) 、 雷サージ 、 など


 1-4.安全性

    使用者の安全性(感電・火傷など)と火災防止などに重点。

 (1)耐電圧  商用電源側(1次側)と機器内部回路(2次側)および筐体間の絶縁。

     AC100Vrms入力機器の場合、AC1000Vrmsを1分間印加し絶縁破壊のないこと。(UL1950の一部)

 (2)漏れ電流 商用電源と機器の筐体(保護接地端子)に流れる漏れ電流を規定。

     人間の等価インピーダンスを仮定して規定されている。


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